2010年 08月 17日
シシリアン・BS
今日も激暑でしたね~~~~~~
午後のひと休みにと思って、BSハイビジョンで1969年のフランス映画「シシリアン」を見た。
部屋を思いっきり涼しく、暗めにして映画鑑賞タイム。。。
最後まで見る予定ではなかったけど、 目が離せなくなり「これぞ映画!」とつぶやいていました。
とにかく映像が美しく、俳優も美しく、画面から放たれるこの落ち着いた感覚は何か?と自問してみたら「腑に落ちる」ということだと気付いた。
「腑に落ちる」ということは、真に納得する、納得させられるということなのだと思う。
以前、「天井桟敷の人々」を見た時、フランス映画の芸術性を思い知らされた。正直、敵わないと思った。
映像のダイナミックさ、表情の繊細さ、配色の美しさ。。。
アラン・ドロンは綺麗だった!
子供のころ、おませの妹と「スクリーン」という映画雑誌を毎月購入し、ワクワクしながら美しい俳優、女優、車、ファッションに見入っていた。
アラン・ドロンの事を「こんな綺麗な顔ってないよね」って見とれていた。
「太陽がいっぱい」を見た時もそうだったけど、フランス映画の終わり方って画面の余韻がそのまま印象付けられますねー。
彼の不幸ですさんだ生い立ちと映画の中で見せる美しく繊細な表現が、世界中の映画ファンの心の「点」に、響鳴したのかもしれない。
貴重な今日の午後だったけど、「これが映画っていうものよ!」と感銘を受けました。
フランス映画の芸術性は、歴史と文化から発生していて、あのシーーーーーン とした画面・映像はやっぱり「本物」だと思う。
なんでもハイテクの今の時代、本物を見分ける目を持ちたいと思う。
それにしても「太陽がいっぱい」のアラン・ドロンは、音楽と共に、ため息が出るほど美しい!
(感動してます)
小阪美鈴オフィシャルHP
追記
シシリアンを見て、いろいろ思いを巡らせていたら、あることに気が付きました。
今、漱石の「草枕」を研究しているんだけど、「シシリアン」と共通項があると思います。
「草枕」も「シシリアン」もストーリーは単純なんだけど、
「草枕」で言えば、漱石は豊富で多彩な知識から語彙を多用して、文化論、芸術論を孕ませて小説にしており、
「シシリアン」は、美しい映像画面と魅力的な俳優陣、音楽等により、隙のない完璧な作品になっていると思う。
小説、映画等のジャンル、洋の東西を問わず、芸術作品とは人の心に届く美しさ、深さを内蔵しているものだと改めて確信した。