2019年 06月 16日
神戸から、新宿区立漱石山房記念館フラナガン氏講演会漱石、八雲、子規の「こころ」に迫る。
紫陽花に心が和む、
新書道神戸発信女流書家小阪美鈴です。
6月15日(土)、早稲田駅近くの夏目漱石山房記念館で、
イギリス人文筆家、評論家、文学博士ダミアン フラナガン氏の講演会が開催されました。
激しい雨の中、熱心な漱石研究者、ファンが集まりました。
フラナガン氏は、既存の日本の文学について、
ユニークな側面から新しい波紋を投げ掛けてくれます
。
↓ダミアン フラナガン「こころ」
↓ラフカディオハーン「KOKORO」
⭐
フラナガン氏は同時代に生きた、
漱石、ラフカディオハーンの、
「こころ」の表現の相違に注目し、自身の見解を発表されました。
ラフカディオハーンは素晴らしい文章で客観的に日本を写生し
各地で文章を残しているが、
一方、
漱石は内面的な心模様を分析し、
漱石の意識の中にある想像力により、
小説として物語を構築し、
発表したとの解釈を述べられた。
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以下は私の少ない知識からの印象だけど、、、
ラフカディオハーンは、
神戸に来たとき、洋風化するのが先進的とする、
当時の居留地界隈や、西洋化に傾く神戸の様子
に嫌悪感さえ抱いていて、
本来の日本は、
地方、奥地に息づいいる文化、暮らしこそが
「日本的」なのだと、感じていると思われる。
ラフカディオハーンには、
日本文化が新鮮に写り、心から日本文化に心酔し、
愛したのだと思う。
外国人から見た当時の日本文化は、
現代にも各地で継承されているのですね✨
文化人類学的かも知れない。
ラフカディオハーンは、
54才で亡くなったけど、
長生きしていたら、
まだまだ見ぬ世界を旅したかも知れないなぁ~
なんて、思う。
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↓ダミアン フラナガン著翻訳「倫敦塔」
題字・小阪美鈴
2005.コロンビア大学ドナルド・キーン日米友好日本文学翻訳賞受賞
↓中扉字・小阪美鈴
漱石はロンドンに留学させられたけど、
ロンドンや、イギリス人にあまり関心がなかったようで、
ただ1度「ロンドン消息」を子規に求められて
「ホトトギス」に発表している。
倫敦塔に漱石は行ったが、
見た印象、写生、風景は一切書かず、
漱石の意識の中で想像したファンタジーとして、
「倫敦塔」を発表した。
フラナガン氏は、
漱石の文学は、
内面性を分析し
表した芸術作品と、
語られた。
私は大いに
納得した。
ウィリアム・ホフマン・ハントの
「雇われの羊飼い」の絵画に於ける
画家の内面の解釈、
観賞者の感じ方の
多様性は、
興味深かった。
ダミアン フラナガン氏は、
ラフカディオハーンの「心」は、
日本国民、日本文化を分析し、
漱石の「こころ」は、
人間の「こころ・秘密」を分析している、
と、
語られた。
講演を拝聴して、
今回の講演は、
正に
ダミアン フラナガン氏の、
芸術観なのだ、
と、
私は
彼の内面の核心を垣間見たのかも知れないと、
勝手に思っているの。
フラナガン氏の講演も、
彼の内面を
彼自身が分析して、
美しい日本語の文章で綴られ、講演された。
絵画も
書も
作品制作過程に於ける、
芸術に対する
思い入れ、感じ方に、
凄く納得し、
力を与えられ、刺激、感銘を受けた私でした✨
漱石、八雲、子規の研究者、ファンと、
興味深い質疑応答中のフラナガン氏
イギリス人らしいユーモアとウィットで笑いを誘う場面も~😃
沢山の学び
気付き
刺激
再会
ご縁は
有難い💞
by shobirei
| 2019-06-16 22:27
| 新書道神戸発信女流書家
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