2008年 09月 02日
宮沢賢治展
書家の視点から見て来たと思う。
黒皮の手等の筆跡、多くの書簡、亡くなる3日前の絶筆二首など、実物を目の当たりにして深い感慨を抱いた。・・・
文学、音楽、科学・・・・など多才な賢治ではあるが、今回最もココロに残っているのは、絵画である。
シンプルな墨の線で書かれた、フクロウと月。あえて描かれたとは記さない。
これは凄かった。半紙程の小品だが、ココロを揺さぶられた。
ココロで見て、聴いて、感じるのである。
書も絵も究極は「線」であると改めて納得した。
他に3~4点の絵画展示があったが、その絶妙のバランスに、賢治の卓越した才能を感じた。
銀河鉄道夜、風の又三郎、等の原稿も、素晴らしい筆跡とバランスであった。
その文字と行間から、賢治の空気感が伝わってきた。勿論、魅力的な文字の配置、配列であった。
真のバランス感覚を与えられている者は限られている、と思う。
肉筆の原稿で彼の生きた時代、思い、取り巻く状況までが、幻想のように、私の脳裏を廻った。
私の、ココロが動きはじめた。。。
「宮沢賢治展」に出かけて、よかったあ~。
小阪美鈴HP