2013年 03月 03日
いかなごの釘煮

写真の屏風作品は、確か7~8年前の出来事を作品にしたものです。
「実家の庭にて摘みし水仙と 母恒例の釘煮を持ちて 妹 来たり
水仙の香りと 桃の花色に 雛の日 ほのか」
個展を目前に控えて全身で「書」に取り組んでいた時、妹からの電話。。。
「お母さんがいかなごの釘煮を炊いたから、庭の水仙と一緒に持って行くわ。」と車を走らせて来てくれました。
書三昧で気が付けば3月3日(゜o゜) 「桃の節句」も忘れていたなんて。。。
とっても幸せで美しいかけがえのない大切な一に日に思え、いつかこんな日を懐かしむ時が来るのだろう・・・・・との「思い」を作品にしたものです。 そして、「美しき日々」として記憶の中に沈むのであろう・・・・と。
現実になってしまいました・・・・・
母の釘煮が食べたい・・・
流れる音楽に涙し、他界してしまった父、母の記憶など、複雑な感情と向き合い、自分の気持ちにぴったりな言葉探しをしつつ、しばらくはアトリエに籠もらなければなりません。
伝統文化である書道を踏まえて、現代の「書」を開拓していくという事は、非常な困難を伴う作業ですが、「自分の書」を求めると言う一点に於いて「書の醍醐味」があり、「書の醍醐味」に出会うという幸運に恵まれたからこそ、私は「書」から離れないのだと思います。
書に残せて良かった・・・実家の家族を偲ぶことが出来て・・・・・

小阪美鈴オフィシャルHP
反省・・釘煮の炊き方を教えてもらえば良かった。。
母が作ってくれる、と思いこんでいた自分の甘さ、母の大きさを想う。