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光を孕む書道 ~Misuzu-ism~

いかなごの釘煮

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写真の屏風作品は、確か7~8年前の出来事を作品にしたものです。

「実家の庭にて摘みし水仙と   母恒例の釘煮を持ちて  妹 来たり
  水仙の香りと  桃の花色に   雛の日   ほのか」

個展を目前に控えて全身で「書」に取り組んでいた時、妹からの電話。。。

「お母さんがいかなごの釘煮を炊いたから、庭の水仙と一緒に持って行くわ。」と車を走らせて来てくれました。
書三昧で気が付けば3月3日(゜o゜) 「桃の節句」も忘れていたなんて。。。

とっても幸せで美しいかけがえのない大切な一に日に思え、いつかこんな日を懐かしむ時が来るのだろう・・・・・との「思い」を作品にしたものです。  そして、「美しき日々」として記憶の中に沈むのであろう・・・・と。

現実になってしまいました・・・・・
母の釘煮が食べたい・・・

流れる音楽に涙し、他界してしまった父、母の記憶など、複雑な感情と向き合い、自分の気持ちにぴったりな言葉探しをしつつ、しばらくはアトリエに籠もらなければなりません。

伝統文化である書道を踏まえて、現代の「書」を開拓していくという事は、非常な困難を伴う作業ですが、「自分の書」を求めると言う一点に於いて「書の醍醐味」があり、「書の醍醐味」に出会うという幸運に恵まれたからこそ、私は「書」から離れないのだと思います。



書に残せて良かった・・・実家の家族を偲ぶことが出来て・・・・・いかなごの釘煮_a0098174_22202898.jpg



小阪美鈴オフィシャルHP


反省・・釘煮の炊き方を教えてもらえば良かった。。
   母が作ってくれる、と思いこんでいた自分の甘さ、母の大きさを想う。
by shobirei | 2013-03-03 21:38 | 神戸の女流書家 | Comments(0)